【RPA運用】よくあるユーザー起因エラーの事例と対処方法

皆さんこんにちは。RPAエンジニアのYです。
普段はお客様先にてロボットの開発、運用保守を行っています。

保守業務ではRPAエラーが発生したときに原因調査と対処を行います。
エラーは様々な原因によって発生しますが、RPA利用者(以下ユーザー)が直接関与するケースも珍しくありません。
そこで今回は、ユーザーが引き起こす可能性のあるエラーに焦点を当て、特によく遭遇するエラー3つをご紹介します。

あわせてエラーの防止策についても記載していますので、RPAの導入を検討される際やRPAエラー対策のご参考になれば幸いです。

■ユーザー起因のRPAエラー事例

1.RPA実行中のロボット実行用端末やファイル操作によるエラー

RPA処理の実行中は、ロボットが人に代わってマウスやキーボードを操作しています。
そのためユーザーが途中で端末を操作すると、RPA処理が中断されてエラーが発生する、
またはロボットが予期しない動作を引き起こすリスクがあります。

また、端末に限らず、ファイルやアプリケーションが他の場所で使用されている場合も、
ロボットエラーの原因になる可能性があります。

このエラーを防ぐためにできる対策としては、RPAの実行タイミングや処理中に使用する端末・ファイル等について、
業務関係者への周知を適切に行うことです。

別の回避策としてRPA専用のロボット実行用端末を使用することも有効です。

2.ロボット処理用に作成されたデータまたはファイルの問題によるエラー

RPAは設定された手順に沿って自動処理を行うため、データに問題がある場合でも設定通りに処理が進んでしまいます。
その結果、「必須項目が空欄」「半角と全角の表記が混在している」というようなデータの不備が修正されないまま処理が進み、
途中でエラーが発生することがあります。

エラーが発生しなかった場合でも正しい処理結果が得られないため、原因の調査と対処が必要となります。

また、「必要なファイルが指定のフォルダに入っていない」「決められたファイル名で保存されていない」場合も
ロボットエラーの原因になります。
これらのエラーを防ぐためには、RPAに合わせたデータ準備を正確に行うことが重要です。

通常はRPA導入時点でロボット処理に必要なファイルの名前や保管場所が設定されていますので、
運用ルールに沿って準備をしてください。
設定が変更になる際には、担当者間で情報を連携し、エラーで処理が止まらないよう対策が必要です。

3.RPA実行用端末の問題によるエラー

RPA実行用端末に次のような問題が発生している場合は、ロボットが正常に実行できずエラーが発生します。

・端末の電源が入っていない
・端末がフリーズして動かない
・メモリ不足
・ネットワーク接続していない(オフライン状態)

上記の問題にはそれぞれ異なる原因が考えられますが、まずはユーザー側(端末管理担当など)で端末の動作やハードウェアの状態を定期的に監視し、
原因の調査を行います。次に問題を解決するために適切な修理やメンテナンスを行う必要があります。

なお、端末の電源を入れたままにしている場合は、定期的に再起動を行うことをおすすめします。

■まとめ

今回は保守業務において実際に対応したことのあるRPAエラーからユーザー起因のエラーについてご紹介しました。

エラーの主な原因としては、「ロボット実行用端末やファイルの操作」「データの不備」
そして「端末自体の問題」によるものがあります。

そして、上記エラーを防ぐためには「運用ルールの周知」「正確なデータ準備」、「適切な端末管理」が不可欠です。

RPAを導入する際には、ユーザーが引き起こす可能性のあるエラーについても考慮して運用方法の検討を
進めていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。