中小製造業を待ち構える「2025年の崖」とDX推進における意外な落とし穴
冬本番となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回は、主に中小製造業を対象にしたDX推進における課題と、
その対応策について考えていきます。
進まない製造業のDX化
2020年から始まったコロナを契機に、様々な業種で多くの企業がテレワークをはじめとした
DX化に取組み始め、中小製造業においても例外なくDX化の波が訪れました。
これまで日本における製造業では、大企業だけではなく地方の町工場をはじめ
中小企業も重要な役割を担ってきました。
しかし、多くの資産でDX化を進めていく大手製造業の一方で、共に日本を支えてきた
中小製造業では思うようにDX化が進んでいないのも事実です。
理由は投資予算が取れない等、企業によって理由はさまざまありますが、
とりわけ中小製造業特有の要因として、以下の2点が挙げられます。
・システムのブラックボックス化
・既存システムのレガシー化(老朽化)
DXを推進しようとしているにも関わらず、遅々として進まない中小製造企業の中には
これらの要因によってDX化が阻まれているケースも少なくありません。
レガシー化、ブラックボックス化されていくITシステム
戦後の日本は大量生産・大量消費の時代となり、それに伴って製造業も製品を多く作れるよう
工場を中心に様々な面でロボット化、システム化がされてきました。
しかし、時代が移り変わり令和となった今、システム自体も老朽化してきただけでなく
その当時のシステムを構築してきたエンジニア達が定年退職していき、
既存のシステムの仕様などを知る者がいなくなりブラックボックス化されるケースが出てきました。
これらの問題は製造業だけに限らず、日本の多くの企業が持つリスクとして
「2025年の崖」と称され、経済産業省が警鐘を鳴らしています。
実際に経済産業省が出している「DXレポート」によると、「2025年の崖」を放置した場合、
年間で最大12兆円/年の経済損失が懸念されるともいわれています。
>>参考:経済産業省
DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~|
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf
ITベンダーに外注する際の落とし穴
さらに、こうした問題に対して「よくわからないからとりあえずプロにお任せ」と
安易に丸投げする企業も少なくありません。
その結果、思わぬトラブルに巻き込まれるというケースも数多く発生しています。
これらのレガシー化・ブラックボックス化したシステムを抱えている場合、
現行システムの調査等を含めた対応から必要となるなど、決して容易にすぐ
新しいシステムやDXが導入できるわけではないからです。
なかには自社のITシステムが現役で稼働しているため老朽化に気づかず、
いざ新しいシステムを入れようとITベンダーに依頼した際にこれらの問題が表面化され、
元々の依頼内容より多くの対応が必要となり、当初の予定より費用が嵩んでしまったというケースも。
こうしたシステムの老朽化やブラックボックス化が後々のトラブルにつながらないよう、
まずはITベンダーに依頼をする前に自社のシステム状況について事前にしっかりと確認し
依頼先に伝えたうえで対応範囲を協議・調整するようにしましょう。
もちろん、こうした既存システムの確認は、外注する/しないに関わらず
できるだけ早めに対応しておくことをおすすめします。
企業はどのように対応していくべきか
さて、これらの課題に対して、実際に企業ではどのようなアプローチが必要となるのでしょうか。
経済産業省では、対応策として「DX推進システムガイドライン」を策定しています。
ガイドラインでは、DXのための組織づくりや実行プロセスなど、16項目にわたって指針が示されています。
<「DX推進システムガイドライン」>
DX を加速していくために、DX を実現すべく IT システムを構築していく上でのアプロー
チや必要なアクションあるいは失敗に陥らないために失敗の典型パターンを示した「DX を
推進するための新たなデジタル技術の活用とレガシーシステム刷新に関するガイドライン」
(DX 推進システムガイドライン)を策定する。
>>引用:経済産業省
DXレポート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~ より
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_03.pdf
詳しい内容は上記DXレポート内のガイドラインに記載がありますため本記事では割愛しますが、
これらの指針を元に、自社におけるDX推進の進め方を策定していくようにしましょう。
また、弊社のDXアンバサダーがガイドラインを読み解き企業がどのようにすべきかを考える記事
「企業でDXを実現するために、改めて一緒にDXの流れを見直してみましょう!」シリーズもございます。
よろしければぜひ、こちらも参考にしてみてください。
▼「企業でDXを実現するために、改めて一緒にDXの流れを見直してみましょう!」シリーズ
第1回:DX推進ガイドラインの構成
第2回:(1)DX推進のための経営のあり方-その1-
第3回:(1)DX推進のための経営のあり方-その2-
第4回:(1)DX推進のための経営のあり方-その3-
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