【RPA開発者向け】運用にやさしいロボットとは

こんにちは!RPA運用エンジニアのKです。

私は現在、AutomationAnywareの運用をやっておりますが、運用をするうえで
運用しやすいロボットというものがあります。

今回は現役運用者から見た運用しやすいロボットについて解説していきたいと思います。

いずれも、ロボットを作成する前に決めておく内容や、作っている最中に行わないといけない項目ですので、
ロボットの設計段階で考慮するようにしたいですね。

■見やすいロボット

ロボットを組み始めた時は、まずは動くロボットを作ることが第1の目標になりがちですが、
これから多くのロボットを作って運用していく場合は、ロボットの作成に当たってルールを決めておくことが重要です。

以下は開発チームで用いられているルールの例です。

・変数の命名ルール
開発者以外の方が見てもわかりやすい名前とする。
ファイル名には”FN_”から始まる、フォルダ名は”FD_”から始まる
フラグは末尾が“_FLG”で終わる、カウンターは末尾が”_CNT”で終わる等

・ロボットの親子関係について
ロボットからロボットを呼び出す場合は、3階層までとする。
それ以上になるとロボットの親子関係が複雑化する為

・コメントを付ける
できる限りコメントを付けるようにする。
ロボット開始時に、ロボットがどのような機能があるのか、作成者や更新日など
変数に値を代入する場合に何を代入しているのか
判定を行っている場合に、何をどのように判断しているのか
子ロボットを呼び出す場合にどのような機能の子ロボットでパラメータは何なのか
ループの終了条件等

・ロボットの実行準備などは1つのロボット内で行う
固定の変数値の設定などをロボットの色々な場所で行うと、調査する際に全てのロボットを
調査しなくてはいけなくなり、時間と手間を要します。
まとめて1箇所で行うことにより調査が容易になります。

■改修しやすいロボット

ロボットを使用する環境は、変化します。
その際にいかに変更をスムーズに行えて運用に影響を出さないかが重要になります。
変化する部分を事前に把握して変化に強いロボットを作成しましょう。

・複数のロボットで仕様するロボットは、共有ロボットとして作成する。 
基幹システムのログインロボットを共通ロボットとして作成し、
各ロボットからこの共通ロボットを呼び出す。
基幹システムのログインは基幹システムを利用するロボットでは共通的に使えること、
ログインID、パスワードなどが変化しやすいことから、共通化しておくと変化した場合に
共有ロボットのみの変更で対応できる。
ロボット毎にこの機能を持たせるとロボット毎に修正が必要になる為

■改修しなくても良いロボット

運用する上で、環境変化等で使用者の方からロボット改修の要望をいただく事があります。

要望を出す使用者の方にも開発した開発者の方にも、窓口となる運用者の方にも手間のかかる事象だと思います。
できる限り使用者の方がロボット改修することなく運用できる仕組みを導入しましょう。

・固定の値を使用者が変更できる外部ファイルに切り出す
ロボットで使用する固定の値
(フォルダ名やファイル名、ログインID、パスワード、ループ回数、URL等)は
外部ファイルとして実装し、ロボットはその外部ファイルから固定の値を取得するロジックを作成する。

固定値がロボット内部に記述されていないことから、ロボットの改修の必要が無く、
使用者の方に外部ファイルの場所と使用方法(設定にあたっての注意事項等)を
展開することにより使用者側で環境の変化に対する対応が取れます。



「運用をするうえで運用しやすいロボット」について解説してきましたが、
いかがだったでしょうか?

RPAはプログラムの開発経験が無くても比較的簡単に作成できる便利な開発ツールだと思います。

そこに、開発で培われたプロの技術・ノウハウを加えることにより、
使用者に開発者に運用者にやさしいロボットを作ることが出来るようになると思います。

ロボットを作成できるようになった次のステップとして、前述のようなことを意識してみてはどうでしょうか?