RPAリリース後の運用課題、属人化とは?
RPA開発が完了し、無事にリリース!
そんなRPA導入後に必要となってくる「保守担当者」「運用担当者」
それぞれに発生する運用課題について原因と改修内容を検討してみました。
RPAリリース後の運用課題とは
保守担当者、運用担当者それぞれに課題があり、RPA化後の運用課題で、どちらにも該当するのが”属人化”です。
RPAはリリース後の運用からもエラーが発生することがよくあります。
▽RPAの主なエラー原因
・要件漏れ
(リリース後想定外のデータが発生し、機能を追加する)
・システム関連
(システムのレイアウト変更、システム側の改修、停止など)
・実行環境の変更
(物理→仮想端末、関連ファイルの格納先変更など)
・データ
(インプットデータの誤り、ダウンロードデータのフォーマット変更など)
したがってリリース後に改修を重ね、
RPAを”育てていく”必要があり、安定稼働までは時間がかかるようになっています。
▽主な改修内容
・要件漏れなど不足している機能の追加
・安定稼働するように微修正
・システムの変更対応など
RPAの開発担当者がそのまま保守担当を務めることが多いのは、
エラー原因によるところも大きいと考えられるからです。
保守担当
▽保守担当の属人化
RPAは開発者がそのまま保守担当も務めるケースが多いと推測されます。
そのため開発担当者は下記のような暗黙知を理解しており、迅速で正確な保守対応が可能です。
・RPA実行環境やRPA業務の期限など、背景
・使用しているシステムや業務内容
・台帳など関連資料の詳細
・RPAの処理フローや、開発時に追加した非機能
・改修時の影響や今までの履歴
さらに、お客様との信頼関係も構築されている場合が多いです。
よって属人化を避けるため、複数名の保守担当者を
開発者と同一レベルで保守できる状況まで引き上げることは容易ではありません。
▽保守担当の属人化防止
・要件定義時からやりとり等を記録し文書を残す
・打ち合わせには複数名で参加する
・RPAの実動作を動画で残すなどイメージの共有
・保守対応資料のマニュアル化
・開発時にはコメントを残すなど、保守しやすい設計ルールを設ける
・引継ぎはリリース直後に実施する
・障害の調査・改修内容は運用担当に共有し、
運用側で対応をお願いする際には手順の共有を理解できるまで丁寧に行う必要があります。
運用担当
▽運用担当の属人化
“部署ごと”など複数担当者が使用するRPAは、開発時のヒアリングからリリース後の運用まで、
担当者がそのまま務めるケースが多いと推測されます。
その理由は”保守担当の属人化”と同様であることがほとんどです。
運用担当者が既存の顧客の場合、通常業務に追加してRPAの運用担当者を兼任する場合が多く
多忙な状況から、属人化が解消されにくいと考えられます。
・RPAの問い合わせが一時受付として運用担当者へいくため通常業務を圧迫
・人員、工数などの要因でRPAを共有することが難しい
・人事異動や退職が決まっていても、部内でRPAの優先度が低く業務引継ぎが進まない
・引継ぎが甘くRPAがブラックボックス化する
▽運用担当の属人化防止
・引継ぎはリリース直後に実施する
・保守担当への連絡フローなどルールを共有し、複数担当者が実行できるようにする
結論
RPAリリース後は、保守・運用担当者ともに属人化を防ぎ、複数名で管理していける環境をつくる必要があります。
そのためには、保守担当者と運用担当者は開発時や保守の情報を共有し、RPAを運用していくよう共通認識を持つことが重要です。