RPAツールによる自動化定着のカギを握る「利用部門の協力」

ブログを閲覧いただきありがとうございます。
エンジニアリング部門でプレイングマネージャーをしております住友です。

年度末が近づいてまいりました。
コロナ禍で仕事もやりにくい状況ではありますが、皆さんも忙しい
毎日を送られているのではないでしょうか。

私が現在携わっているお客様では、RPAにおけるロボット開発について、
自動化する業務の年間開発計画があり、年度内で開発する業務数を達成するため、
現在追い込みの状況にあります。

私も開発や資料整備などに追われている日々です。

これまで、お客様業務の自動化に向けて対象業務の選定から、要件定義、ロボット開発、
導入、導入後の運用/保守、教育まで一貫して携わってきました

その経験から、自動化が成功しロボット数が増えた部門と、あまり成功したとはいえず、
ロボット数が増えなかった部門の違いについてお話させていただきたいと思います。

現在、導入中やこれから導入を検討されている場合など、少しでもご参考になれば幸いです。

 

■とあるお客様のケース

まずは、そのお客様先でのRPA導入における推進体制を簡単にご説明します。

RPAツールによりロボット開発を行う我々エンジニアは、
お客様の「RPAラボ」と呼ばれるRPA推進部門に所属しております。

そのRPAラボから各部門に自動化したい業務を募集し、各部門から業務一覧が寄せられ、
RPAラボによって年間のロボット開発本数がスケジュールされます。

自動化を実現した際に、人の手作業から離れる削減時間および、人為的ミス削減効果などを
KPIとして優先順位が決められ、その優先順にロボット開発を着手していきます。

[参考イメージ]

 

■同一企業内での変化

この様に年間計画は立案されますが、実際に業務要件を詰め、ロボット開発から運用を重ねて最適化を進めていくと、
一つの企業の中でもRPAのロボット数が増える部門と増えない部門が出てくる様になっていました。

増える部門と増えない部門の違いが生じる大きな要因としては、利用部門内でも担当者の役割を明確にし、
RPAラボに協力いただけているかどうかという事です。

一例ではありますが、その違いをご紹介させていただきます。

【業務要件時】

  • ロボット化が増える部門
    RPAラボの提案を参考に業務フローを見直す事で、自動化に適したロボット開発が進む
  • ロボット化が増えない部門
    RPAラボの提案は受け入れず、現状の業務フローのままの状態で自動化を進める事でロボット開発に時間を要する

【RPA運用後の不具合発生時】

  • ロボット化が増える部門
    RPA担当者を据えエラー内容に加え、以下の通りロボット稼働状況の環境なども一緒に報告いただける事でロボットの最適化が進む

・この時間帯に稼働した時によく発生している
・いつもと違う場所でRPA稼働端末を移動して稼働した
・対象ファイルに修正を加えた
・実行した担当者が別の作業もしていた                      等

  • ロボット化が増えない部門
    都度稼働時の担当者が代わり、エラー内容の報告のみのため、どの様なロボット稼働状況で不具合が発生したのか
    不明瞭な事で同様のエラーが頻発する

■利用部門マネージャーの意識

上記の他にも、利用部門のマネージャーの方が、自部門での業務を単に自動化するという目的だけではなく、
業務そのものを改革するという強い意志がある場合は、必然的に導入するロボット数も増え、
自動化に加え人的資源は人にしか出来ない業務へのシフトが進むなど、部門内のリソースの最適化にも成功しています。

 

■自動化推進体制

RPAを導入するための体制は様々で、今回ご紹介させていただいた事例は
ほんの一部であり、どこの企業でも同じ手法を使えるとは限りません。

しかしながら、これまでの経験から自動化の成功は開発するエンジニアだけでは絶対に成功せず、
必ず利用するユーザや部門全体の協力がカギとなる事は明白です。

予算や環境、規模など状況は様々ですが、自動化に向けた体制面や進め方、自動化後の運用など
企業さまに合わせたご提案をさせていただきますので、是非お気軽にお問合せ下さい。