事例から見るRPA導入をスムーズに進めるコツ①

皆さん、こんにちは。マネージャー住友です。

気づけば冬がすぐそこまで到来し、2021年も残すところ約2ヶ月近くとなりました。

私が前回コラムを書いたのが7月でしたので、本当に月日の経過がとても早く感じます。

自動化を進めていくなかで、RPAツールの導入は出来ているけれど、
これからどうすれば
もっと活用が進むのか、私自身も悩みながら日々取り組んでいます。

今回は、RPAツールの導入はしたもののなかなか効果が表れない、
どの様に進めればもっと業務の自動化が進むのか等、ツールの導入後に今後の活用をどうしようかと
悩んでいる方に向けた内容を記載します。少しでも参考になれば幸いです。

お客様の社員など各スタッフで推進するケース

さて、今回のケースでは我々エンジニアがロボットの開発を進めて、推進していくパターンではなく、
内製化を進めお客様の社員など、各スタッフで推進していく事例でお話させていただきます。

まず初めに各部門のRPA開発を担う業務担当者に、我々エンジニアから開発手法を伝搬し、
教育していくのですが、そちらの進め方も以下に記します。

【進め方】

✔前提知識を理解するためにアンケートを実施
✔必要な前提知識を持っている方とそうではない方をグルーピング
✔グループ単位で教育を実施
  <教育内容>
  ・変数の考え方
  ・フローチャートの考え方
     →順次構造
     →分岐構造
     →反復構造
  ・RPAツールの概要、利用方法の説明
✔教育後チェックシートを元に理解度を確認する

以上の様にチェックシートで理解度を確認し、一定の水準まで達した状態で教育は終了となります。

その後は実践編となり、あらかじめ自動化する対象業務を決めていただき、
我々エンジニアが伴走しながら業務担当者ご自身でロボット開発を進めていきます。

開発が終了すれば、我々エンジニアの役割は一旦終了となります。

その後は、教育を終えた各業務担当者にて自動化対象業務を選定し、
部門内でロボット開発を進めていきます。

推進を阻害する要因とその対策

この様な流れの中でも、ロボット数が増えずあまり進まない部門が出て来るのですが、
進まない理由の一例として以下が挙げられます。

【組織的要因】
・担当者間の引継ぎ不足
(教育を受けた方が離任や異動により新任担当者となるも教育が出来ていない)

・部門方針が浸透していない(必要性の理解が無い)

【人的要因】
・教育を受けた内容以外の業務が自動化できるのかイメージがわかない
(開発したい業務が思いつかない)

・他業務が忙しくてできない

組織的要因について、異動や退職など担当者が変わる事は必ずどこの組織でも起こりえる事です。

そのため、準備出来るパターンは前もって、引継ぎにどれだけの時間が必要なのかを見積り、
計画をたてて実施する事をお勧めします。

内部での引継ぎがなく、展開が滞ってしまうと、それだけ推進のスピード感も鈍化してしまいます。

次に部門方針の浸透については、方針が明確にあればその伝達を部内定例会や朝礼などで進めていくなどの
対策も出来ますが、そもそも方針があまり立案されていないケースも見受けられます。

その場合は、まずは自動化を行う目的や目標値の設定などを行い、
その後部門内にて浸透させる必要があります。

また、人的要因の中にあるイメージが沸かない等の対策としては、他部門で活用している事例を
動画で撮影し社内ポータルに掲載して紹介する事や、事例発表会の開催などを進める事で、
他の業務担当者が気付きを得たり、こんな用途に適用できるのではないかと感じてもらったりすることが出来ます。

事例としては以下の様なものがあります。

【発表事例】

・自動化したパソコン作業の概要
・自動化で得た効果
・ロボの開発や運用の過程で直面した課題、その解決策
・実際のロボ稼働デモ
例)作業時間は短いが毎日必ず人手で実施していた作業
定刻処理のパソコン作業は心理的な負担が減少した作業
自動化処理の結果を確認するだけで済むようになり気持ちが楽になった作業

この様に、各部門内だけで推進するのではなく、部門をこえた横の繋がりを活性化する事で
より事業部単位、全社単位での推進が進む事もあります。

今回も1つの例を紹介しましたが、共通した悩みをお持ちのお客様も多いと認識しています。

教育の進め方等はお客様環境に沿った内容でメニューを組み立てる事も可能ですので、
何か困りごとがあれば是非相談してください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。