「UiPath Orchestrator」導入のメリットと使い方紹介

こんにちは。RPA導入チームに所属し、UiPath Orchestratorのサーバ管理、運用業務を行っているKです。
今回はUiPath Orchestratorの便利な機能や導入メリットについて、紹介させて頂きます。

【1】UiPath Orchestrator とは?

まず、UiPath Orchestrator(以下、UiPath OC)のツールのご紹介となります。
イメージ図①のようにUiPathRobotの利用端末を集中的に管理することが出来るクラウドサーバになります。

こちらに登録した際、UiPath OCから発行されるマシンキーをRPA実行端末のUiPath Assistantに入力する事で、
UiPath OCとの接続が行われ、様々な機能が使用可能となります。

名前欄につきまして、特に規則はございませんが、分かりやすく端末番号を私の職場で設定しております。

※実際に利用する際は、上述の登録に加えて、利用端末のドメインやユーザIDを別項目にて、
設定する必要がございます。細かい仕様になりますので、今回のご紹介では割愛いたします。

▽イメージ図①

では、UiPath OC にはどのような機能があり、導入した際はどんなメリットがあるのでしょうか。

【2】UiPath OCの導入のメリット、使い方紹介

(1)作成したロボットを複数ユーザの端末へ一斉配布・更新・廃止が出来る!

UiPath OCのプロセス設定を使用しますと、各利用者の端末で利用できるロボットの設定や管理が可能となります。
この機能により各利用者の端末にロボットを配置し、改修時には再度、改修したロボットを置きなおすという作業が不要となり、
作業時間の大幅な短縮や、最新ロボットへの差替え漏れなどを未然に防止する事が実現できます。

★設定の流れ
UiPath Studioでロボット作成 → UiPath OCへのアップロード →プロセス設定 →利用者へ自動配布

下記のイメージ図②はUiPath OCでのプロセス設定画面になります。

こちらの設定を行う事で、利用端末にロボットダウンロードし実行する事や、
UiPath OC側から端末を制御し、ロボット実行をする事が可能となります。

ロボット改修時も改修したロボットをUiPath OCへアップロードする事で、プロセス設定で
紐づけされている利用者の端末へ最新のロボットの自動配信が可能なります。

また、利用端末を細かく制御する事も可能となっており、例えば、サンプルロボットを
A、B、C端末で利用できるようにし、サンプル動作確認ロボットはC、D端末のみで利用可にするなど、
利用者側の事情に合わせアレンジしやすい仕様となっております。

▽イメージ図②

反対に利用を停止したい場合はこちらのプロセス設定を削除する事で利用者の端末でロボットの実行を
不可にすることが簡単に可能となります。

※実際に利用する際は、ロボットグループ設定にてロボットの利用端末をグループピングした後、
プロセス設定にてロボットと利用端末を紐づけする形となります。

★全体的な流れ
UiPath OCに端末の登録(端末名やログイン時のドメイン、ログインIDなど) 
 ↓
任意の名称にてロボットグループ作成
 ↓
ロボットグループ内の登録設定(どの利用者をロボットグループに含めるか)
 ↓
プロセス設定にて利用したいロボットと利用者が登録されているロボットグループの紐づけ作業
 ↓
利用者端末での実行設定完了

(2)ロボットの実行結果やログがUiPath OC上で確認出来る!

UiPath OCを利用せずにロボットを実行した場合、終了結果や異常時のログなどは実行端末で確認する方法以外になく、
非常に不便な運用となります。

実際の経験談になりますが、UiPath OC導入前に利用者側でロボットを実行した際、異常終了が発生、原
因調査の依頼を受けましたが、実行ログが利用者の端末にしか無く、端末の貸与をお願いしました。

結果、調査・改修作業が完了するまで、利用者は通常業務を中断し端末を空けなければならず、
厳しい叱責を受ける事となりました。

このようにUiPath OCが無いと、利用者側の利便性が低く、技術者側も端末貸与や利用時間の調整などに
多くの工数を取られる事となります。
この不便な状況に革新を起こしたのがUiPath OCの実行結果、ログの確認機能となります。

以下、イメージ図③のステート欄のように一目でロボットの実行結果が確認でき、
実行結果のログもログ欄にて簡単にUiPath OC上で確認する事が可能となります。

この機能を活用する事により、利用者の作業を邪魔することなく、実行結果やエラー原因の特定が出来るようになり、
また、(1)の機能によりエラー部分の解消をしたロボットを速やかに利用者へお渡する事が可能となりました。

▽イメージ③

(3)トリガー設定機能によりロボットの無人実行が出来る! ※無人実行用のライセンス購入要※

購読者の皆様は、このような事を考えた事、ないでしょうか。

・朝の出勤前にロボットが必要なファイルをダウンロードしてくれたらなぁ。。。
・お昼休憩中にロボットを動すの忘れた!
午後一の業務で使うデータだったのに今からじゃ間に合わないよ。。。

このような問題を解決してくれるのがUiPath OCのトリガー設定機能になります。

利用方法も簡単な仕様になっており、予めUiPath OCにアップロードしているロボットを対象の設定画面にて、
実行端末・実行タイミングのみ選択する形式となっております。

実際の設定画面はイメージ図④となります。

★赤枠:ロボットを実行する端末、青枠:実行時間、サイクル、緑枠:実行からx分やx時間後に、
強制終了させるなどの、オプション設定欄となります。

▽イメージ図④

ご参考としましてトリガー設定で可能な実行サイクルを紹介いたします。
特に私の職場では④、⑥、⑦を多く使用しております。
※赤字の時間・日付・曜日は任意で変更可能です。

① 曜日や日付を問わず、10分おきに実行する。
② 曜日や日付を問わず、3時間おきに実行する。
③ 曜日や日付を問わず、毎日10時に実行
④ 月曜、水曜、金曜のみ15時に実行にする。
➄ 3ヵ月後の月曜、火曜のみ12時に実行する。
⑥ 毎月10日のみ13時に実行する。
⑦ 指定した日付の18時に実行する
※主に、祝日を除いた稼働日のみ実行したい場合などに利用します。
別途、稼働カレンダーを.csv形式で作成し、UiPath OCへ読み込ませる必要がございます。


以上3点、私がUiPath OCを利用しており、便利と感じている機能になります。

今回紹介した機能以外にもUiPath OCには多数の機能が備わっております。
導入をお考えの企業様は是非、ご連絡頂けること心よりお待ちしております。

以上となります。 最後までお読み頂きありがとうございました。