無駄なRPA保守工数の増大を防ぐ、ロボット開発時の注意点について
こんにちは。RPAロボット開発・保守を行っているTです。
私は2年ほど前にKYOSOに入社しUiPathを使用した、RPAロボット開発・保守に携わっています。
ロボットの開発・保守を行ってきた中で発見した注意点について紹介します。
1.アクティビティ名についての注意点 (UiPath Orchestratorを活用している場合)
UiPathにはアクティビティと呼ばれる、ワークフローを構成する最小の部品が存在しており、
これを組み合わせてワークフローの作成を行います。
ワークフローというのは、
ブラウザを開く⇒検索バーに検索ワードを入力⇒検索ボタンをクリック
といった一連の処理のことを指します。
上記の処理を例にアクティビティ名について説明していきます。
ブラウザを開く⇒文字を入力⇒クリックを配置し、それぞれ画面上でターゲットを指定しましょう。
すると以下のようなワークフローが作成できたかと思います。
作成したワークフローにはスクリーンショットがついており、それぞれどの部分に文字を入力して、
どこをクリックしたのかが可視化できます。
ここからは注意点となります。
私が就業しているお客様先の現場では、UiPath Orchestratorと連携し、
パッケージをローカルではなく、クラウド上にアップロードして管理しております。
それぞれのローカル環境にて、パッケージの管理やロボットの改修を行う必要が無いという利点がある一方、
クラウド上にアップロードした際に、実行ファイルが圧縮される仕様となっております。
実行ファイルが圧縮された際のデメリットとしまして、画像②の通りスクリーンショットが消失してしまいます。
スクリーンショットが消失した事により、クリック箇所などの詳細が一目では不明となります。
ご自身で開発・保守を全てされている場合は、記憶で対応出来るかと思いますが、複数人で対応している場合、
保守工数の増加につながる恐れがあります。
この問題の緩和策として、以下のようにアクティビティ名に詳細を記入する、
注釈をつけるなどの手法がございます。是非ご参考にしてください。
2.変数名について
続いて、変数名についてのお話になります。
皆さんは、開発時・保守時に「変数名はどのような変数名にしよう。」「この変数はなんか分かりづらいな。」などと困ったことはありますか。
例えば、UiPathでは日本語で変数名を作成することは可能ですが、
以下に代表する変数名は保守時に分かりづらくなってしまうので極力避ける事をお勧めします。
私の場合は、ロボットが行う処理の用途に沿った、以下のような変数名で統一しております。
また、表記方法はUserConfigのようにパスカルケースを使用し、変数を命名することをお勧めします。
パスカルケースというのは、英語の複合語やフレーズ、文を一語に繋げて表記する際に、
語全体の先頭も含め各構成語の先頭を大文字にする方式です。
UiPathに限らずプログラミングでも使用する表記方法になりますので覚えておきましょう。
今回、①アクティビティ名 ②変数名を例にRPA開発における保守工数を削減するにはについてお話させていただきましたが、
保守工数を削減に向けた注意点についてはこれら以外にも様々なケースが想定されます。
自分だけではなく、他の人が保守を行うときに分かりやすいロボット作成を心がけましょう。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。